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続・合気道って何ですかB?(音楽と合気道)



「続・合気道って何ですかB?(音楽と合気道)」 
   

 先ほど、「スコラ」という番組をやっていた。古典曲の作曲(音楽)について、音楽をやっている若者に講義をする番組である。好評だったせいか再放送をしているようだ。ドビュッシーの曲構成について「海」を表現する際に、さまざまな音階を使う。「海」も朝の海の表情、昼の表情、夕方の表情とさまざまな表情をみせる。それを音階に乗せて表現するというものだ。波?を表現するのに、シ♭とソまでを使うと、音階として不安定であるそうだ。別の表現でもオクターブ下げたソからシ♭を使う。同じように不安定な音表現になる。そこで、不安定なものを安定させるために、ドとレとミを間に入れて、和音構成させ、安定させるらしい。不安定な表現は活かされて安定したものに変わる。不安定は活かされて、さらに豊かな安定表現となった。
 
 合気道も同じである。
ドという「働きかけ」を行い、レという「入り身」をし、ミという
「一足」
を行う。不安定な表現が活かされて、さらに安定した「結び」に変わる。古典曲はピアノやオーケストラで「結び」を行う。合気道は身体と想いで「結び」を行う。表現方法は異なるが目指すものは同じである。

 番組の最後に高校生や大学生に水の音を実際、体験させるところがある。水槽やたらい、バケツにビーカー、ストローを用意し、水を使って水の音を表現させる。ストローでボコボコさせたり、バケツの水を上からたらいに落としてみたり、ビーカーに入れた水を少しずつ減らしながらたたいてみたりする。気に入った音がみつかったら、それをそのまま自分の得意な楽器で表現する。トロンボーン、アルトサクソフォン、バイオリン、ベースギター、水の音は自然の音なので、それを楽器で表現するには工夫したりすることが必要になる。工夫することで自分の表現となるが、周りの音と調和させないといけない。自分の表現は周りと調和させないと不安定になる。周りと調和させるため、「ド」と「レ」と「ミ」を使う。やがて調和された音階ができる。自然の音を楽器の音で工夫(稽古)して調和(結び)した音階が生まれた。そこに、先ほどのバケツの水をたらいに落とした音を加えると、見事な曲構成が生まれる。合気道も同じである。

 音楽では声や楽器で調和を作る。
合気道は身体と想いで調和(結び)をつくる。
方法が違うだけで、目指すものは同じである。

ドという「働きかけ」
レという「入り身」
ミという「一足」
ファという「体の転換法」

を使って、音階をつくり(稽古して)、安定表現を生み出す。安定表現は「結び」となるのです。


    続編はまた後日、追記していきます。


                                平成24年5月12日(土)                  

                                     合気道新発田教室                             笹木裕幸

 


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