合気道って何ですか? 合気道って護身術でしょ? 武道の話をしているとすぐに質問が飛んでくる。えーと・・・・。若い頃はうまく答えられずに、なんとか説明しようと試みるが、相手は半信半疑な顔をしている。うーん、困ったな。すかさず、ちょっとやってみましょうと、片手を取らせたり、二教をやってみせたりすると、ふーん・・・・・。なおも説明を続けるがうまく伝わらない。わかったような、わからないような感じである。さてさて、どうすれば簡単に理解されるのだろう。全く合気道を知らない人にすぐにわかってもらうには・・・・・・。私が稽古を続けてきて最大に感ずる難事である。 最近では説明するとき、こう答えることにしている。「合気道は握手です。合気道は握手そのものです。」と、さらにこう続ける、「手と手を結ばないと、個人と個人で2つの存在がありますよね。2つの存在は仲がよいときはよいのですが、仲が悪くなることもあります。仲が悪くなると、どうなりますか?・・・・・。」 「喧嘩になるかもしれない!! (奥のほうの男の子が少し大きな声でそう叫ぶ)そうだよね。2つ以上(二人以上)のものがあると喧嘩になる場合だってある。もしこの2つが国であったらどうなるの?(大抵の子どもたちは何が起きるか、わかった顔をしている)そう、そういうことなんです。手を取りあうことってお互いが仲良くしていくことなんですね。」・・・・・こんなふうに説明すると、以前よりもわかった顔をする人たちが増えたように感じます。 握手だけでうまくいくの? 技って何のためにあるの? 次にこういう質問が飛んできそうなので、個人的に説明を加えると。技(ぎ)とは、「ものを生み出す力」であると考えています。握手だけでは表面的にお互い、よい顔をしているだけかもしれません。それが技(ぎ)に移ることによって2つが1つになる。1つの力は強いんですね。2つのままで頑張ってみたところで、力と力のぶつかり合いをしていて結局、最後には怪我をしてしまうかもしれません。(国どうしであれば大変な事態です。)この1つにすることが稽古であり、合気道であると考えています。だから、技(ぎ)を正しく使うことは大切なことなんですね。「ものを生み出す力」は人間の永遠のテーマであり、「生きる力」にも繋がると考えています。 合気道新発田教室 笹木裕幸
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